二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、……

注文の多い料理店

ちゅうもんのおおいりょうりてん

宮沢賢治一九二四

注文の多い料理店宮沢賢治

『注文の多い料理店』(宮沢賢治、1924年)の書き出しは『二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、……』です。

460字約45秒で読めます

文庫・Kindle版

注文の多い料理店(新潮文庫)(PR)Amazonアソシエイトのリンクです

書き出し全文460字

二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。

「ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。」

「鹿の黄いろな横っ腹なんぞに、二三発お見舞もうしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。くるくるまわって、それからどたっと倒れるだろうねえ。」

それはだいぶの山奥でした。案内してきた専門の鉄砲打ちも、ちょっとまごついて、どこかへ行ってしまったくらいの山奥でした。

それに、あんまり山が物凄いので、その白熊のような犬が、二疋いっしょにめまいを起こして、しばらく吠って、それから泡を吐いて死んでしまいました。

「じつにぼくは、二千四百円の損害だ」と一人の紳士が、その犬の眼ぶたを、ちょっとかえしてみて言いました。

「ぼくは二千八百円の損害だ。」と、もひとりが、くやしそうに、あたまをまげて言いました。

この続きは青空文庫で

奥付

作品
注文の多い料理店(ちゅうもんのおおいりょうりてん)
作家
宮沢賢治(みやざわ けんじ、1896–1933)
初出
「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」盛岡市杜陵出版部・東京光原社、1924年
底本
「注文の多い料理店」新潮文庫、新潮社
引用
書き出し460字。青空文庫の本文を底本どおりに引用(くの字点のみ縦書き用の字に置換)

宮沢賢治

同じ作家の書き出し

宮沢賢治の作品一覧