私はその人を常に先生と呼んでいた。

こころ

こころ

夏目漱石一九一四

こころ夏目漱石

『こころ』(夏目漱石、1914年)の書き出しは『私はその人を常に先生と呼んでいた。』です。

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書き出し全文151字

私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆を執っても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。

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