ある
日の 暮方の 事である。
羅生門
文庫・Kindle版
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ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。
広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。
奥付
- 作品
- 羅生門(らしょうもん)
- 作家
- 芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ、1892–1927)
- 初出
- 「帝国文学」、1915年
- 底本
- 「芥川龍之介全集1」ちくま文庫、筑摩書房
- 引用
- 書き出し164字。青空文庫の本文を底本どおりに引用(くの字点のみ縦書き用の字に置換)
芥川龍之介
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